アメリカで養子縁組をする その1

3/18/2018

▶ アメリカで養子縁組

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このブログをずっと読んでくださっている方はご存知かもしれませんが、私と夫は以前より養子縁組で子供を向かえる準備をしています。

いつも読んでくださる方も、検索でたどり着いた方にも何か役に立てる情報があるかもしれないと思い、アメリカでの養子縁組の記録をつけることにしました。今回の内容は私が2016年~2018年に体験した事です。


  • なぜ養子縁組をしようと思ったのか?

まず私達はここ数年不妊治療をしていますがなかなか良い結果が出ず、夫の提案で2016年の秋ごろに当時住んでいたカリフォルニアのとあるカウンティ/郡(アメリカでは州の中に郡で地域が区切られており、その中に市があります)のResource Family Approvalというフォスターケア&養子縁組を斡旋する部署にコンタクトを取りました。フォスターケア・・・一時預かりの里親

  • まず考えるのは養子縁組をしたい子供の年齢と必要になるお金

私達は話し合った結果、できれば0~12ヶ月の赤ちゃんが良いけれど、2歳ぐらいまでの子供でもOKという希望を出すことにしました。この時も不妊治療は続けておりそちらにもお金がかかるので迷わずお金の安い郡の機関を選択。プライベートは手数料などが平均で30,000ドル(約300万円ちょっと)かかります。

  • アメリカで養子縁組を考えた時どこに連絡すれば良いの?

1. プライベートカンパニーが運営する斡旋所
2. 国(郡、州)が運営するチャイルドケアシステム


1は個人が経営する養子縁組斡旋所です。その中には教会が運営している所もあります。私は利用したことがないので詳しくはわかりませんが、よい点として希望した子供の年齢に出会える機会が多い、そしてプロセスが早いのではないかと思っています。

2は国が運営する機関で、どこの郡にもたいがいこのようなシステムがあります。ただし人口などの差で出会える確率やプロセスの早さなどはバラバラです。そしてこちらはほとんど料金が発生しません。(現在プロセスの途中ですが今の所料金は発生していません)

決定的な違いはかかる料金の違いと、プロセスの早さ、子供に関して希望の通りやすさです。American Adoptionsというサイトによると、待ち時間がプライベートでは1ヶ月~12ヶ月なのに対し、国の機関では1ヶ月~5年となっています。子供の年齢はプライベートが乳幼児が多いのに対し、国では乳幼児~18歳と幅が広いです。早く確実に赤ちゃんが欲しいなら30,000ドル前後のお金が必要だし、時間がかかるけどお金で悩む必要がないのが国が運営する機関という感じのようです。


  • 郡が運営する機関とのやり取り開始

1. オリエンテーションに参加する

2016年の秋、まずは月に1度行われているオリエンテーションに参加しました。先に出てきた郡の斡旋機関に連絡をして、オリエンテーションの予約をします。オリエンテーションは約2時間半の説明会でした。私達以外にも約15組ほどのカップルが来ていました。まずここで認識しなければいけなかった事は、養子縁組をするにはフォスターペアレントの勉強をしてフォスターペアレント資格保持者にならないといけないという事。この郡は養子縁組とフォスターの両方を同じ機関が提供しているので、こういったことが早く子供が欲しい人にはネックです。

さらにその直後に運営機関が新しくなるのでそちらで新たにスタートした方がプロセスが早いと言われたため、その後夫が仕事で海外へ行く間の8ヶ月私一人で最初から手続きを進める事に。この時2016年の冬でした。しかも一度オリエンテーションに出たにも関わらずそれが適応されないと言うので再度一人で行く羽目に。


2. 申込書を出す(Submit Application)

2017年1月末、一人でオリエンテーションに行きました。そしてもらってきた申込書を出します。その後3月に担当のソーシャルワーカーから連絡があり、フォスターになるためのクラス(Trauma Informed Pre Service/全部で12時間)の予約をしました。このクラスは6時間を2日に分けて土曜日にするコースと、3時間を4日に分けて平日するコースが選べたので6時間を2日の方にしました。


3. フィンガープリントを取りにいく(Part of Assessment)

4月、クラスに行くまでの間にソーシャルワーカーからバックグラウンドチェック(犯罪歴チェック)の申込書がメールで送られてくるので、郡が運営するChildrens Servicesというソーシャルサービス機関にフィンガープリントの予約の電話を入れます。バックグラウンドチェックの申込書を持ってフィンガープリントを取りに行きます。


4. フォスターペアレントになるためのトラウマについてのクラスに出席する(Training

4月末、前半のクラスに出席します。トラウマとは何か、どうしてそうなったか、トラウマを抱える子供の精神状態や健康、振る舞いについて、教育の方法、子供の権利などたくさんの事を学びます。クラスではソーシャルワーカーの説明を聞きながら時々ディスカッションしたり、グループワークをしたりしました。クラスには30代40代ぐらいの夫婦だけでなく、フォスター希望のリタイア夫婦、親戚の子供のフォスターになりたい女性、男性ゲイカップルもいました。そしてその次の週末に後半のクラスに出席。最後にフォスターペアレントの証明書をもらいます。


5. CPRとファーストエイドの証明書のコピーをメールで送る(Training)

5月、上記の証明書をメールでソーシャルワーカーに送ります。当時の私の仕事柄両方持っていたのでクラスを受けなくてすんだけど、もし持っていなかったらAmerican Red CrossやAmerican Heart Associationなどがオファーするトレーニングクラスを受けて証明書を発行してもらいます。CPRは大人、子供、赤ちゃんの全てを含むものを取得する必要があります。私はレッドクロスのトレーニングクラスで当時の仕事を始める前に確か$100ぐらいで取りました。


6. ツベルクリンテストの書類をメールで送る(Part of Assessment)

5月半ば、TB test(ツベルクリンテスト)の書類をソーシャルワーカーにメールします。私の場合は子供の頃日本でBCGワクチンを受けているので、TB testをすると陽性になってしまいます。なのでその旨を医者に説明して、そのことを書類にしてもらってツベルクリンテストの書類という事でメールしました。


7. ソーシャルワーカーから家庭訪問のチェックリストが送られてくる

6月、メールにて家の点検リストが送られてくるのでそれに従って家の中を整えます。例えばコンセントはチャイルドセーフティの為全てカバーをつけます。ドアも子供が開けられないようにノブカバーをつけたり、刃物や薬は手の届かない高い所に収納しました。うちには銃があるので、ロックをかけて届かない場所に保管し、弾も別のセキュリティーボックスに分けて保管する必要がありました。さらに一部屋まるまる子供部屋にし、子供に関係ないもの(クローゼットの物も)は部屋から出さないといけませんでした。最低限すぐ暮らせるような物(ベッド、マットレス、ブランケットなど)も用意しました。これらはソーシャルワーカーが訪問した時にチェックされます。

そしてソーシャルワーカーが訪問の際、インタビューされるので「子供に対しての希望や子育てに対する考え方」などを考えておきます。


8. 家庭訪問(Home Inspection)

6月末、ソーシャルワーカーが家庭訪問に来ました。普段のメールや電話でのやり取りからもとても気さくな女性だったので、緊張しなくて済みました。家の中を全て点検して回ります。足りないもの、どかした方が良いもの(立てかけてある鏡など)をまたリストにしてもらいました。インタビューも終わり、これで養子縁組の最初のステージはおしまいです。ここから先は別のソーシャルワーカーに引き継がれます。私の場合夫がいなかったので、夫が海外から帰って来たら夫にもこのプロセスを一人でしてもらわなければいけませんでした。それが終わってから夫婦そろって次のステージになります。


9. 夫が海外から帰宅、全てを一人で終わらせる

夫が8月に帰って来て、それから全てのプロセスを終わらせるのに3ヶ月近くかかりました。私がしたよりは短かったものの、予約や日程調整などである程度時間がかかってしまいます。その時すでに11月。私達はその1ヶ月後の12月に夫の仕事の都合で別の州に引っ越さないといけなかったのです。これは始める前からわかってはいたのですが、この郡から出たら手続きは続けることはできません。


10. 次のソーシャルワーカーから連絡をもらう

2018年1月、後任のソーシャルワーカーから電話をもらいます。その時点で私達は他州に引っ越した後だったので、その旨を伝えたら2月に私達のケースを閉じたということを書面にしたものが郵送で届きました。


これでこの郡との養子縁組のプロセスはおしまいです。引っ越す事はわかっていたので、その前に1年ぐらいで終わりにできたら、、と期待していましたが、夫が不在だったことを除いたとしても多分全てを終える事はできなかったと思います。最初のソーシャルワーカー曰く、大体2年ぐらいはかかる(赤ちゃんのみを希望の場合はもっと)と言っていました。


そして現在(2018年3月)、ここノースカロライナの別の機関で新たにプロセスを始めています。ソーシャルワーカーにはカリフォルニアで最初の過程を終わらせたことを伝え、インタビューの予約をしてあります。正直、この土地にいられる年数も限りがあるので今回も終わらせられない可能性もありますが、何もしないでいたら後悔すると思い申し込みました。


また、新しく不妊治療のクリニックも見つけて通う予定となっています。どうなるかわかりませんが、夫婦ふたりの子供が出来るよう願っています。アメリカで養子縁組をするカテゴリーラベルを作ったので、進展があり次第記録していこうと思います。


↓アメリカで養子縁組の記録↓

アメリカで養子縁組をする その1
アメリカで養子縁組をする その2 始めての面接
アメリカで養子縁組をする その3 提出するものリスト

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2017年8月号のいぬのきもちに搭載していただきました。

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