アメリカでインタビューを「する側」に立ってみたら

5/12/2018

▶ アメリカでカレッジに通う

t f B! P L
ドキドキドキ。考えるだけでちょっぴり緊張してしまう、インタビューがありました。



インタビューと言っても仕事の面接を受けにいったんじゃなくて、今日は私が地元のコミュニティサービス(市役所のようなところ)に対談に行って来たのです。それというのも、現在取っているカリフォルニアカレッジの幼児教育の授業で、こんな課題が出たから。
「12歳の子供を一人で育てているシングルマザーがいます。この家族はすでにフードスタンプを利用していて、政府が提供している家に住んでいます。(つまりお金にとても困っている)お母さんは薬局のレジで働いていましたが、最近クビになってしまいました。あなたがこの親子を助けるとしたら、どのような地元のサービスを薦めますか?」というものでした。


それで私はインターネットでそういったサービスを提供しているエージェンシーが無いか探しました。そこでノースカロライナ州が提供するお金に困っている人たちを助けるプログラムを発見。すぐに電話をして、学校の課題の内容を説明し、予約を取って対談に行って来たのでした。


行く前はちょっと緊張していたのですが、大丈夫、きっとなんとかなると思い、書類を集めてアポイントメントの時間前にオフィスに到着。重いドアをあけて中に入ると、たくさん並べられた待合室の椅子に何人か座っています。すぐに並ぶ列の先頭に立って、窓口の人から声がかかるのを待ちました。そしてぐに、


「Yes, how can I help you?」


と呼ばれ、窓口へ。アジア系の年配のめがねの女性が、優しそうな笑顔を覗かせたので、私も笑顔になって「2時にミス○○と約束があるのですが」と言いました。ソーシャルセキュリティナンバーを聞かれ答えると、「あれ、、、?出てこないわ。あなたここを利用するのは初めて?」と聞かれ、そうだと答えると、彼女は思い出したように隣の窓口の女性に「ミス○○の面会ってメモあったけど、あれ昨日じゃなかったっけ?」と聞いた。隣の女性、「違うわよ、今日の2時よ。」と答える。そして私にミス○○はすぐに来るのでお待ちくださいと伝えると、受話器を取ってどこかにかけだしました。きっと内線で呼ぶんだろう。一番手前の椅子に座って、彼女が現れるのを待ちます。あ、足が床に着かない。。随分高いな、この椅子。どんな人かな?話しやすい人だといいけど、、、


そんな事を考えていたら、1分もしないうちにすぐ誰かが右のドアの影から私の名前を呼びました。そのドアの方へ向かって歩いたら、小柄でちょっとふっくらとしていて、大きな目がくりくりとした、ライトスキーンの黒人の女性が現れました。


「ハイ、はじめまして。あなたはミス○○ですか?」


と聞いたら、そうだと言うので、時間を取ってくれたお礼を良い一緒に歩き始めました。彼女の声のトーンがとても優しそうで、話しやすそう。良かった!そう思いながら、天気の話なんかをして彼女の案内する部屋に入りました。


彼女はこのプログラムのスーパーバイザーで、ソーシャルワーカーになってもうすぐ20年、後一年でリタイアなんだとか。クラスの概要、課題のガイドライン、取っているコースの表などを見せたら、コピーを取ると言って部屋を出て行きました。すぐに戻ってきて、とてもじっくりと、そして詳しく提供するプログラムの説明をしてくれました。


上のようなシングルマザーのケースは少なくないらしく、毎月50人ほどこのプログラムを利用しにくる人がいるらしい。さらに、色々な理由で同プログラムを利用する人が月に約200人。これは郡が提供するサービスの一角で、体が健康でなく働けない人、特定の仕事でしか働けない人、薬物から抜け出すサポート、虐待被害者、犯罪歴のある人などを支援するプログラムもあります。


さらにノンプロフィットの団体が提供する別の低所得者支援サービスもこのエリアにいくつかあり、それらと協力し合いながら市民をサポートしているとのことでした。今までこういった支援がどういう風に成り立っているのか知らなかったので、とてもためになりました。


ちなみにこのプログラムはアメリカ国籍を持った人が対象ですが、親にアメリカ国籍がなくても子供にあれば、利用可能だそう。もし私がシングル「ドッグマム」になったら?うちの犬達はアメリカ生まれだけどw な~んてね。あ、そうそう、最近、人間用シェルターはペット不可など規制が多くてあえてホームレスになる人が増えているという記事を見たので、政府が提供するテンポラリーハウスはペット可もあるのか?と聞いたら、場所によってはあるそうで、ちょっと安心。大切な家族であるペットと別れなくちゃいけないなんてことになったら辛すぎるものね。


じっくり2時間半にもなるインタビューを終え、最後に、


「この仕事の喜びと残念に思う点について教えてください」


と聞いたら、


「嬉しいことは、相談者が頑張って自力で前に進もうとして、成功するのを見ることね。このプログラムはただ相談者に与えるだけじゃないの。こんな方法があるよと教えて、詳しいことはこれこれここの機関へ行って自分で調べてきて、と促すのよ。例えば職業訓練のクラスはどんなのがあるのかをカレッジに行って調べてきてもらったり。だから、ソーシャルワーカーの仕事はたくさんの”Teaching”を含んでいるの。それで相談者が変わって行き、成功するのを見るのが一番の喜び。」


と言っていました。やっぱり中には行動が伴わず這い上がれない人もいるので、それが残念なことだそうで。おもわず、


「すごく同感です!私も、子供達が成長するのを見ることに本当に喜びに感じます。」


と、過去の体験を交えて伝えました。何なのでしょうか、この、誰かを助ける、そしてその人が良い方向へと変わって行くことを見る喜びというのは。私が若い時だったら、興味なかった喜びです。逆に言うと、若いうちから「人の為に」と思える人はすごく立派だなあと思うのです。犬猫レスキューに携わっている人にも同じように思います。


最初電話してアポイントメントを取った時、こちらとしてはありがたいけど、学生相手に説明なんて本業とずれたこと、したくないけどきっと相手も断れないんだろうな、(公的機関だしネットでアイスコメント書かれる可能性もあるし・私は書かないけどね)ぐらいに思っていました。でも彼女と話をするうちに、彼女は私に説明することをイヤイヤでやっているのではなく、心から助けたいと思っているんじゃないかと、ストンと納得&心が感じました。


最後にお礼を言って外に出たら、ノースカロライナの初夏のような蒸し暑い空気と照りつける太陽が待っていました。車に乗り込むと、暑くてたまらなかったのでクーラーの風を上げて、すぐに夫に電話。


「終わったよ!何か買って行く物ある?」


夫、「ホットソースが無いから買って来て。タパティオね!」


そして運転中、赤信号で止まって空を見上げたら真っ青な空に入道雲のような形の雲が浮かんでいました。なんだかとっても、とってもすがすがしくてウキウキするような、嬉しい気持ちになったのでした。


↓以前のクラスのお話はこちらから。↓

クラスメイトのタバサムに元気をもらう
職場のパーティ&カレッジでブースを出した週末
カレッジの学期末テストはピザを食べながら
適当すぎるタバサムと細かい私。
カリフォルニアカレッジの幼児教育~家庭と社会~1週目
アメリカでオンラインクラスを取ってみた感想
アメリカでインタビューを「する側」に立ってみたら

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